ABOUT

 こんにちは!はじめまして!お久しぶりです!aubeです!
 「パフォーマンス演劇集団」というありそうであまり見ないカテゴリの中で演劇を作っています。「あうべ」じゃないです。「おーぶ」と読みます。

 2016年にジャグラーの稲葉という男が、「ミュージカルの歌みたいな勢いでジャグリングをする演劇を作りたい!」と叫びながら大好きなジャグラーと演劇スタッフを集めて作った団体で、そんな妙な切り口でここまで大小5本の演劇作品を作ってきました。

 稲葉はもともと、高校でジャグリングと出会って以来10年以上これを続け、人前でパフォーマンスをしたり、大会に出場して優勝したりボロ負けしたり、とにかく青春をジャグリングに捧げてきた男でした。
 同時に、稲葉は少年漫画とDisney PIXARが大好きで、胸が熱くなる物語の世界からいつまでも帰ってこれない子供でもありました。

 そんな稲葉はある時「ジャグリングはもっと、こう、すごい!とか、面白い!だけじゃなくて、もっとこう、人間のアツさをこう!こう!!」と思ったそうです。変な男ですね。

 そういう想いから始まったaubeは、J-POPミュージックでジャグリングをしたり、ジャグリングの道具で殴り合いをしたり、狭い舞台で15人並んで踊ったりととにかく節操なく面白そうなものを詰め込みつつ、その時その時稲葉が感じたテーマを盛り込んで劇作を繰り返してきました。

 「『自分らしさ』ってなんだよ!」という身勝手な若者特有の悩みを6人の変人ジャグラーに託した「vol.1 SHAREHOUSE」。

 転勤族特有の「俺のアイデンティティってどこ!?」という問題意識に大学院時代の研究が様々な影響を与えた「vol.2 雨中で踊る」。

 「大人だって辛いけど、でもカッコつけたいじゃん!」と社会人になり打ちのめされたボロボロの状態で作った「vol.3 ビタースイートクリスマス」。

 「なんでこんなに寂しいんだ!」祖母を亡くした悲しみと肥大し続ける自意識に苦しみながら挑戦した初めての原作付き作品「vol.4 aube版 銀河鉄道の夜」。

 その都度その都度稲葉が本気で自分の心と向き合いながら脚本を書き、平日仕事をしながらボロボロに疲弊し稽古をするメンバーに支えられ、aubeが世に出してきた作品は、ありがたいことに累計2000人以上のお客様に見ていただき、その中の何人かの人の心に何かしらを残せてきたようです。

 そんなaubeが2021年挑戦するのは、「作るとは」というテーマ。

 3年やってきても煮詰まらないaubeがコトコト煮込んで、お届けしますはドタバタレストランコメディ!

 「お前は何のために作ってるんだ!」

 さあさあみなさまお立ち会い。ここに幕開くは、いつまでも夢の世界から帰ってこられない愚か者がこの大変な時代にそれでも舞台に立ちたいともがき続ける者たちの泥臭い物語。

 今回は4年のaubeの活動で初めて、オンラインでの上演になります。
 やはりまだまだ、新型コロナウイルスの脅威はあります。その恐ろしさは、目に見えるところではなく、多くの人の心の奥底を、「人が集まるところには行かない方がいいのではないか」「演劇、パフォーマンスなんか見ている場合じゃないんじゃないか」という形で蝕んでいます。
 演劇やパフォーマンスを生業、生きがいとしている者にとっては辛い時代がきてしまいましたが、だからこそ今、お客様を不安にさせない形で、ありし日の、チケットを予約してワクワクする楽しさ、劇場のざわめき、照明が暗くなる時の高揚感、目の前で人間が全力で何かをするアツさ、そういった非日常を、お届けしたいと思っています。

 麦と水があれば最低息はしていけますが、私たちの人生には、たまにレストランにちょっとおいしいものを食べに行くような日が必要なはずです。

 そう言う想いで、私たちの作品をみなさまのお宅にアツいままでお届けしますので、よろしくお願いします!